シンプルライフ

まだ途中だけど、中崎タツヤの「もたない男」を読んでるけど、ムチャクチャ面白い。


去年の夏頃、基本的に家に全然家に帰らないので、1週間に1度しか帰らない家にコストを掛けるのはバカではないかと思い、経済的な理由も相まって家を引き払って事務所に住むことにした。
その際、家具とか電化製品を友達にあげたり、読み終わったマンガは友達に渡し、荷物を極力減らし、衣類とレコードと雑誌を近所のレンタルボックスに収納し必要があれば着替えを取りに行く生活に切り替えたが、これが意外と快適過ぎてたまらない。

今は事務所で生活してるんだけど、みんなに説明すると

「自宅兼仕事場ね。」

って言われるので、

「事務所です。」

って返すんだけど、本当にどう見ても事務所で家っぽい要素はほとんどないと思う。
お客さんが来てもここに人が住んでるとは想像できないぐらいに普通に事務所だし、自炊もしないし、いつもフローリングで寝てるし、友達が来ても普通に生活感がほとんどないと言われる。
あなたのオフィスに24時間同僚がいる感じが一番分かりやすいと思う。


完璧な身軽にはまだ遠いけど、身軽にしたい。
Mac Book Pro買ってから、vmwarewindows XPをインストールしてるので、1台でほとんど事足りるし、メッセンジャーバッグMacと財布と携帯を入れておけば、基本的にどこでも仕事ができるので自分の中で「失踪セット」と呼んでいる。
ネットの恩恵を本当に受けていると思う。


山本耀司さんがNHK視点・論点で自分のブランドのコンセプトを以下の様にお話されていて、


「空間に例えると、ベッドが一つ、本が百冊ぐらい、テレビはあってもなくてもよし、風呂はなくてもシャワーがあればいい。三日間着替える服があって、バッグが一つおいてある。言いたいことは強くごまんとある。言いたいことがカプセルにあって、その中に寝てるみたいなのが理想でそれをシンプルといい、シンプルにはもう一つ間抜けという意味がありますけど、自分でそうしたわけでもなく、既にそうしてただの一度も選択肢はなく、ただ気づいたら偶然1943年の東京に生まれていた。(以下略)」


元々シンプルでミニマルな物事が大好きなので、少なからず影響を受けている。


この間友達と話したけど、僕が死ぬとどうなるかを俯瞰で観ると相当面白いって話になって、大抵は自分が死んだ場合に、家族が遺品なども含めて部屋の片付けに来ると思うけど、僕の場合は家族の最後のイベントの「生活感が残ったままの部屋を片付け」中に息子の生活を想像しながらしんみりし、時々瞳に涙を浮かべる事になると思うけど、拍子抜けするぐらいに倉庫なので、来てもすぐに右から左に捨てるだけでしんみりもクソもないので、両親には申し訳ないがとても面白い絵になるって話をした。


例えばこんな感じ。


両親「従業員さんはじめまして。妻夫木の父です。聡の荷物はどちらでしょうか?」
従業員「こちらです。」
(倉庫に移動。途中電子ロック解除。)
両親「え?」
従業員「こちらです。」
両親「いやこれは倉庫ですよね?自宅は?」
従業員「こちらです。」
両親「いやこれは倉庫ですよね?自宅は?」
従業員「こちらです。」
両親「いやこれは倉庫ですよね?自宅は?」
従業員「こちらです。」


この様な会話のミニマルミュージックを確実に奏でると思う。
この情景を想像すると普通に笑える。


元々物欲が酷く、スニーカーは100足ぐらいあったし、レコードも未だに2000枚くらいあると思う。
正直、レコードも減らしたいけど、まだそこまで踏ん切りがつかない。
時々倉庫が火事になれば全部燃えてなくなるのにとまで思う。


この生活は快適だけど、結局いろいろあって、見知らぬ3人とシェアハウスで生活をしている。
シェアハウスにも入居して3週間ぐらい経つが3回しか帰った記憶がない。